ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書) | |
中川淳一郎
光文社 2009-04-17 おすすめ平均 |
俺が思っているような感じのタイトルだったので、買って読んでみた。
ウェブ製作サイドの人間が、そんな身も蓋もないようなことを言うなという話になるのかもしれないが、俺もこのタイトル通りのことを思ってる。そしてそれは間違っていないと思う。
ウェブを上手に使っている層からすると、ウェブはまだまだ可能性を秘めていると思う。まぁ、ここにも80対20の法則みたいなものが働いているのではないだろうか?著者は、ウェブの上手に使っている20%の層の話は他の人に任せて、その他80%について話をしている。その点を勘違いしてはならない(80対20の法則は勝手に俺が引用しているだけだが)。
変な正義感から、人の揚げ足を取るようなことをして、偽善者による総攻撃でブログ炎上みたいなことをやってるのは、バカと暇人によるものだってことが書いてある。そして、そういう人たちに火を付けるようなマーケティング手法が、ネット上のマーケティング手法であり、お行儀のよい手法を取ったところでその人たちにとっては面白くないので目に止まらずに、企業の自己満足で終わってしまう。いかにB級くさいネタで彼らを煽るのかがキモだと。
さらに、バカと暇なネットユーザはテレビの影響を受けやすいので(テレビは無料(受信料の発生しない局は)、ネットも定額なので感覚的には無料)、ネットから火がつくということはなく、テレビ主体の構図はこれからも当分変わらないだろうさ~ということだ。うーん、わからなくもない。
まぁ現実問題として、インターネットに多くの時間を割いている人で、クリエイティブでない人の割合は相当なものだろうと思うし、ブログなどの普及で爆発的に無駄な情報が多くなって参るとか、ほんまに多いしね…。まあそういう俺もブログ書いてるんだけど。明日からインターネットがなくなったとしたら、暇な人は一体何をして過ごすんだろうか?
ブログを書くこと自体がリスキーになってしまっている日本では、メリットが感じられない人はブログを書かないし、書かないほうがいいっていうのはすごく理解できる意見だった。企業が情報をオープンにすることで会社のことをよく知ってもらおうとしたら、逆に揚げ足を取られて信用失墜というケースも度々あることから、そこらへんは周到に準備して、双方向性を無視したスタイルでなければ、批判攻撃を受けてしまう。
ユーザとコミュニケーションができるのがネットの利点であるっていっても、不特定多数の人間には、いい人もいれば、バカもいるので、全てに対して対応するということがそもそもが無理なのだ。そのバカをうまくスルーした例として、ダウンタウンの松ちゃんの件が出てて、「あぁ、確かに一時期ニュースになってたけど、全然騒ぎが大きくならずに済んだな~」と思ったのだが、この対応は非常に適切で、これくらいのスタンスでなければやっていられない。自分にとって有意義な意見交換ができる人だけを相手にすることが重要なんだなぁ~。
ひろゆき氏の、「2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?」とかも併せて読むと、本当に見も蓋もなくて、面白い。ネットに幻想見てる人たちに読ませてあげたいね。ただ、技術革新があれば、幻想に一段踏み込んだところに行けるからね。それがiPhoneとかAndroidだと思ってるんだけど。でもそれを使ってるのも、基本的には上位20%の人たちが多いんだけどね…。オイラはその20%には入っていません…。iPhoneは欲しいけど。