手紙 スタンダード版 [DVD] | |
東野圭吾 安倍照雄 清水友佳子
日活 2007-04-27 おすすめ平均 |
ずっと気になっていたのに、見てなかった映画。
主演は、山田孝之と沢尻エリカ。
弟の進学費用のために盗みに入った邸宅で兄の剛志は誤って女性を殺してしまう。
殺人者の弟というレッテルを貼られた直貴は世間で差別され、大学への進学を諦め、仕事に就いても長く働かせてもらえない。兄と弟は手紙のやり取りをしていたのだが、せっかく掴んだ芸人になるという夢、好きな人との恋も、犯罪者の弟ということがばれて砕かれてしまう。いつしか兄の存在を邪魔に思うようになった直貴は、剛志への手紙を止める。
加害者の弟が主人公という難しい設定ながら、直貴役の山田孝之の演技が素晴らしいと思った。その直貴を理解して、応援してくれる沢尻エリカもすごくいいし、剛志役の玉山鉄二もいい。すべてを兄の存在のせいにして兄を憎みだす直貴の心情を解きほぐしてくれる沢尻エリカに惹かれる。
それにしても加害者家族への扱いは、あまりにも理不尽だけど、世間ってやっぱりそういうものだろうな~と思うし、それだけに直貴の苦悩は本当につらい。しかし被害者はもっとつらいだろう。罪は、行った犯罪そのものだけではなく、それからの家族の人生と被害者家族の人生を狂わすことをひっくるめて罪であるという言葉が重い。理不尽な犯罪は許せないが、剛志の行った罪は弟を思うがあまりの罪でありかつ故意ではないので、背景を知ってしまうと非常に切ないが、罪は罪だし、悲しくなる。
K’sデンキの会長の「差別のないところを探すのではなく、差別のあるところでの生き方を探さなくてはならない」という台詞がいい言葉だった。これは言葉だけを見るとどこがいい言葉やねん!と思えるが、映画を見てもらえば真意がわかる。
ラストが非常にいい終わり方で、感動がジンワリと残るいい映画でした。
内容も深くて、感動もできるオススメ映画です。