書評:「アイデアは才能では生まれない」を読んだ


いつもなにか面白いアイデアはないかと漠然と考えている中、アイデアに関する本は色々読んでみたかったので、買って読んでみた。

色んな商品やサービスの開発話が載っていて、読み物としてとても面白かった。

特に、カルビーのじゃがりこの話が面白かった。
カルビーのじゃがいもへのこだわりと、じゃがりこが生まれるための4つアイデア。

ターゲットを高校生と設定。

  • いつでもどこでも
  • 美味しいものを
  • 手を汚さずに
  • 食べ続けられて口寂しさを紛らわせて歯触りがよいスナック

というニーズがあることがわかったのでそれを実現させるアイデアを考えていったと。

  • 袋に入ってるどこでもは食べにくいので箱にする。
  • 生のじゃがいもから作る。(普通はフレーク状や粉末にしたものから加工するらしい)
  • 手を汚さないために、味を生地に練り込む。
  • カリッとしてさくさくした食感なら食べ続けられる

これらのアイデアを思いつくまではかなりの試行錯誤があったらしいですが、その後の話も面白い。じゃがりこのネーミング話とか。そして愛される商品にしていくためのアイデアとして、キャラクターを作ったと。じゃがりこあんまり食べないからか、キリンのキャラクターがいることは僕は知らなかったが、言われてみればたしかにいた気がする。また、デザインバーコードを取り入れる遊び心をいれたことで、じゃがりこファンが増えたらしい。
そして、アイデアを横展開へ。じゃがりこの姉妹商品のさつまりこを作ってみたところ、これもヒット。また、ブランド強化のためにじゃがりこの新しい味を作るのもまたアイデアがあったそうだ。そして最後のところで、アイデアは才能ではなく、経験と問題意識から生まれるというふうに締めていた。

他の話もまた面白かった。まさに逆転の発想というか、あえて逆にしてみる、というやつが割と多かったけれど、最終的に言えるのは、良い発想をするためには、周辺知識をたくさん蓄積していることが大事であるという点だった。それを持った上で、常識からやや外れた視点が持てるか、視野を広げて考えることができるか、が求められるのだろう。あとは、見えないつながりを見つける力。着圧インナーといわれる、テーピングの役割をもった矯正インナーも、「テーピングを衣料品で代替できないか」という関係のなさそうなところを着眼してつながりを作るというのが重要であるとのことだった。

アイデアはふっと湧いてくるものではなくて、ずっと問題意識をもって考え続けていた結果出てくるものなんだなぁと思えた。人の視点を学習することができたのと、商品の誕生秘話が面白かったので、この本を読めたのはとてもよかったと思う。


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