日記:物事を教える順序の重要性

今、うちの会社に研修生が来ているのだけれど、その人にHTMLとCSSについて講義を行いました。まずは何が分かっていて、何が分かっていないのか。そこを見極めてから教えていかなければ、教える事ができないので、そこからです。

そもそも、教わる側が初心者の場合は、わからないことがわからないという場合が多いです(つまり事前知識がないという意味)。なので、いきなり「わからないところはどこですか?」と言われても、答えられません。特に勉強範囲が広い場合はなおさら。

今回は、他の人がその研修生の教育係をやっていたのだけれど、いきなりCMSを勉強しなさいというところに話が飛んでしまっていたようでした。そういう話が聞こえていた時点では、自分はもうすぐ会社を辞める身なので、あれこれ口を出すのは憚られるなぁと思っていたのだけれど、その教育係はちょうどお休みで、自分に講師をやってほしいという機会が巡ってきたので話を聞いてみたら「なんでこれをやるのか?」が理解出来ていなかったです。ちゃんと相手の状態を確認してから教育しろよ!と思いましたが、まぁなんというか、こういう人がうちの会社は多いような気がします…。

研修にくる前の授業でも、あまり身にならない授業を受けていたみたいで、「こんなので就職できるのかな?」という気持ちになってほとんど諦めていたらしいし、研修になったらなったで、理解できていない状態で「これやってね!」って言われても、身に付くはずがないですね。自分が何をやっているのかさえわからないのだから…。なんか話を聞いていたら、途中から研修生の愚痴がものすごくなって、全部聞いたのだけれどw、かなりの不満が募っていたようでした。

ハローワークでの職業訓練校だと思うのですが、何年も前の既にほとんど使われていないような技術を教える学校。そこで学んだ(?)技術をもって就職活動しても、即戦力になり得ないから、まぁほとんど落とされますわね…。もし自分が採用側なら、よほど学習意欲が強い人じゃない限りは落とす。そして就職できない、と。本人も、企業も、ハローワークも幸せになれないこの負の連鎖は一体何なのでしょう…。まさにこの前のオープンセミナーの話ですが、戦略的にスキルアップして企業に技術力をアピールできる人材じゃないとこの業界は厳しいでしょう。そのための足がかりを行政がやっているフリですよ、このままでは…。研修生の愚痴っぷりから、その惨状がよくわかりました。

その研修生はまずCMSが何の略なのか?というところから知らなかったので、そこを説明して(Contents Management System)、その後、CSSを使うのは何故か?HTMLのマークアップの正しいやり方の概要と、なぜそうする必要性があるのかを説明して、まずはHTMLとCSSを使えるようになること!これが最優先です!と伝えたところで、2ヶ月くらい溜まっていたモヤモヤが吹っ飛んだようで、スッキリしましたと言われました。そう言っていただけると講師をした自分としても嬉しかったですね。よかった!まぁ何度も同じようなことは教えているので、ここら辺は慣れているんですけどね。

理解と納得があって前に進められるようになるので、「何故これをやるのか?」を一番最初にわかってもらうようにすること。「何故」が腑に落ちたら、あとは分からないところは質問できるようになるし、なにより自発的に動けるようになるので、ここが一番重要ですよね。人間は行動に意味を求める生き物なので、意味がわからないとやる気もでないし。それでやる気を出せって言われても、ねぇ…。無理でしょ…。


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