書評:感性のマーケティング

「感性」のマーケティング 心と行動を読み解き、顧客をつかむ (PHPビジネス新書)

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小阪さんの本は大好きなので読んでみた。
書かれていることは基本的には今までの小阪さんの本に書かれているような内容だったけれど、より噛み砕いていたような気がする。本のページ数的にも読みやすい量だった。

簡単に言うと、「物を売るのではなく、体験を売れ」とかに近いわけだが、「どうやって売るか」じゃなくて、「どうやったら買う行動にまで導けるか」という視点にあるのが、小阪流なんだよなぁと思う。
物がよくても売れないというのは、お客様が買う行動に結びつくまでになんらかの障害があるからで、それを取り除かなければ売れないよということなのだ。それを考えずに安ければ売れるとか、仕組みなしで安易に値下げをすると価格競争になってしまったり、適切な価格設定ができずに働けど働けど苦しいという結末を迎える。

感性のマーケティングと聞くと、お客様の感性に合わせて…という意味なのだろうか?と読む前までは思っていたけれど、まさか「お客様の感性を育てる」という視点だとは思ってもみなかった。でも読んだら売り手は師匠でお客様は弟子で…という構造は前の本でも書いてあった。そうか、感性を育てるというのは、お客様の人生の一部をプロデュースするということなんだろうなと思った。

先週のガイアの夜明けを見たときにも、やはり現在のお客様が求めているものはそういうものなのだろうなと感じた。年齢や家族構成、現在所有の衣類などを参考に、その人に似合う服を選んであげるというサービスが紹介されていたのだが、あれもまさに師匠と弟子の関係。
新たな視点をお客様にインストールすることで、お客様の人生は裕福になり、売り手は感謝される。あの商売は殿様商売(お客様のほうから、売り手に「売ってください!」と頼まれる商売)なので、売る方も楽しいだろう。もちろん、そこに辿り着くまでには厚い信頼を勝ち得ていなければいけないわけだが。


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