書評:自分の仕事をつくる

自分の仕事をつくる
自分の仕事をつくる
晶文社 2003-10-01
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おすすめ平均 star
starこんな働き方もある
starいいモノを作っている人は、働き方が違う
star気持ちが荒れそうになると、読み直します

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最近BOOKOFFで本をガンガン処分していたのですが、計算待ちの間に欲しい本がないかなーと思って色々と見ているときに目に止まった本です。目次パラパラ、中身パラパラ。即決!買う!!

日曜日に本を読み出して、さきほど読み終わりました。うーん、仕事とはっていうことを本当に考えさせられる内容でした。人間は意味を食べる生き物とか、矛盾のない仕事とか、心に刺さる言葉が多かったですねー。効率重視の中で、個性を出そうとあがくよりも、何かに没頭した結果、個性が出ていた。この没頭していること自体は非効率なことだったとか、そういう事例って一杯あると思う。型にあてはめるフレームワーク型の思考・ルーチン化も生産的に生きる上で大事ではあると思うけれど、その結果どうなったか?無駄なものを付けて無理やり再生産を行っている、この歪んだ世の中。

妥協によって生まれたモノに囲まれているから、貧しい感覚のままでモノで満たされない。豊かな感覚を手に入れようとまたモノを買い…。だから、iPhoneやiPadが飛ぶように売れていくのだろうなと感じた。Appleの製品には、その時点での妥協というものは感じられない。そこに多くの人が共感し、信者が生まれるのだろうと思う。

かたや自分はというと、生産性という大義名分を隠れ蓑に、物事に没頭していない(まぁ、ある意味、させてもらえない)のではないだろうか?もちろん会社では利益を出さなければならないので生産性の向上は必要不可欠ではあるが、生産方法も確立していない状態で『生産性!生産性!』と叫ばれても困る。生産方法が確立したあとに、生産性を高める方法を考えるほうが生産性があるんじゃないだろうか?
エンジニアの時間管理術のほうでもあったが、自動化するためには手動でやる方法を確立するところから始まる。うまくやる方法を確立してから、それを自動化しないと、速くガラクタを作る方法を作ってしまうことになりかねない。

職種の枠を超えて共感できる話っていうのは、やはり良心に語りかけるというか、人々の感覚・感性に重点を置いているなと思う。デザインなんてくそくらえってな感じで書かれているとすがすがしく感じる。なんでこんな風に書かれているかっていうと、デザインのためのデザインをしていて、それで満足してしまっている人たちが多くなっているからだろう。

効率重視のあまりに失敗を恐れるようになってしまい、チャレンジ精神を失ってしまったことが度々ある。しかし、こういういい本に出会うと、自分は失敗を恐れているんじゃないか?と自問自答する機会になり、再び前に進めるようになる。

結局のところ、課題をクリアーしていく唯一の方法は、何度も失敗を重ねることしかない。ほかに方法はありません。

これを忘れてはならない。そして、馬鹿になることの大切さも。

何度も読み返すと思われる本でした。


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