SE・プログラマのあるべき姿とは

まぁお客さんと直接会って話をする機会があまりない自分のようなSEがいうのは、おこがましい感じもするけれど。

私の趣味は読書で、その本の傾向たるや、自己啓発本とプログラム系の本ばっかりなんですが、最近その中でも好きなのが、『プロフェッショナル 仕事の流儀』シリーズです。これは、NHKで脳科学者の茂木健一郎さんがされてる番組なので、ご存知の方も多いことでしょう。私はハードディスクに録って、見れるときに見てます。

他業種の仕事の取り組み方の視点とか感性とかって、こういう本を読むとすごく勉強になります。そしてやはり、職種は全然違っても何かしら共通する部分が見出せるものです。職人さんとか、ものすごく共通する部分あるなぁ〜と思うと同時に、コンピュータではどうしようもない世界を感じます。

特に、職人さんで出てくるフレーズが「我を出さない」というものでした。こういう部分って職業プログラマにはすごく重要だと思います。我を出さないって、意見を言わずに上からの指示に従えという意味ではなく、ここで私が言いたいのは、スタンドプレーに走らないってことです。職場はチームプレーであって、個人プレーの場ではない。職人もプログラマも、人間ですから個人の特徴はもちろんある。ただその特徴を前面に押し出すのではなく、その場に見合ったものを全力で作る。

ただ出さないのは「我」であって「個性」ではない。個性をなくせと言われると、自分らしさが出せないように感じて、仕事がつまらなくなると思います。というか個性をなくす時点でマシンになれって言われているような感じですね。そんなのは楽しくない。個性を求められる時代でもあるけれど、個性を出すのと我を出すのは違ってて、個性はその人から滲み出る味のようなもの、我はその人の我侭という感じがします。個性は、仕事(仕事に限らずですが)への姿勢で磨けば光る。人が人である限り、個性はなくならないわけですから、個性はなくせじゃなくて磨けと言ってほしいし言いたいです。

あるべき姿って書いたのは、みんな地味な作業を積んで裏打ちされた経験で職人になってるわけで、SE・プログラマも職人を目指すべきだと思うんです。我を出さず、個性を磨く。まあこんなことを書くと「職人は自分の世界に入ってしまう。利益が出せなければダメだろ〜」とか言われそうですけれど、じゃあ世の中の職人さんたちは利益無視してやってるのかといわれたら違うでしょといいたいです。ただ、「お金や効率が全てじゃないよ」ってことですよね。IT系の会社って競合が多いかつ一般的にはブラックボックスでしかも価格競争になりやすいところだから結構そういうところあるんですけど、あまりにもそれらの要求がきつすぎるような気がします。

言い方が難しいですが、ITの導入は効率化が主な目的だからそれが主戦場な我々としてはその要求は合ってるんですけど、職人は「どうやったら今よりもっと上手にできるか?」を追求してますので、非効率が時間を経てものすごい効率アップになることはあると思うんですよ。でも現在の風潮は目先のことしか考えないことが多いんで、目先の効率に甘んじてしまうというか。それが後に組織やプロジェクトの障害になったりするんですよね…。

『7つの習慣』でいうところの、緊急じゃなくて重要な領域に力を入れ続けることができる人が職人に通ずるところがあるな〜と思います。効率的に取り組むのではなく、重要なことに取り組むことこそが大事で、効率的に重要なことに取り組めれば最強ですね。

ちなみに今回読んだのは『プロフェッショナル仕事の流儀人事を尽くして、鬼になる』です。


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